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Akira Mizutani's Brand New Album "eat or nor"

水谷紹、超ひさしぶりのソロアルバム

”たべなくてもいい”

「六月頃でしたか、「吸血鬼」「安全なバー」を書いたとき、発表したいな、と久しぶりに思いました。でも、先ずはレコーディング中の東京中低域のアルバムを仕上げなければならなかったので、九月まで諦めていました。東京中低域の方が出来上がったあとも創作意欲が持続していたので、25年前に発表した曲「固い握り」のセルフカバーとトリコミ用に途中まで書いてあった「パパゲーノ」を仕上げ、その4曲の歌ものを中心に、ギターを弾きに弾いた曲、コンピューターで打ち込みに打ち込んだ曲、即興的なピアノ曲などのインストを加えて、こじんまりとしたアルバムにまとめてみました。シンガーソングライターである自分と東京中低域の作曲家である自分の中間に位置するような作品だと思います。バリトンサックスを使っていないので、音色は全く違うのですが「音楽って考えていることそのものなんだな」っていうことが、よく判る。やっぱり今のぼくは東京中低域の水谷なんだなと感じています」

水谷紹[2017.11.8]


収録曲

1_ 吸血鬼  A Life of a Sensual Vamp  3:10
2_ パパゲーノ  Papageno  4:16
3_ オニノコドモ  Oninokodomo  0:51
4_ Patricious Vamp  2:50
5_ 固い握り  Hard Grip  4:28
6_ フニオチ  Funiochi  0:08
7_ 安全なバー  At the Neighbor's Bar  4:24
8_ Vamp in Their Habitat  2:49
9_ ヒトノコドモ  Hitonokodomo  1:26
10_ シリニホカケ  Shirinihokake  2:28

 

 A Life of a Sensual Vamp

A Life of a Sensual Vamp

1_吸血鬼 A Life of a Sensual Vamp 3:10

「今年結成した“ムタリカ”というユニットのために書き下ろしました。ヒトの娘と恋に落ちた吸血鬼が、それまでの何不自由無い暮らしを捨てて、娘との平凡な暮らしを始めようとデイタイムの会社に就職するのですが、朝出勤しようと一歩外に出たところで朝陽に焼かれて灰になってしまった、という話。2番冒頭の“一握の砂に成り果てたアナタ”とは灰になった吸血鬼と、はたらけど猶わが生活楽にならざりぢっと手を見る、の両方の意。働かなければ良かったね、と娘は思う。だって食べなくても良いのだもの」additional vocal : Ali Yushima


2_パパゲーノ Papageno 4:16

「パパゲーノとはモーツアルトのオペラ“魔笛”の登場人物。ここでは鳥屋一般の気持ちをパパゲーノに語らせてみました。歌唱が吃音っぽくなっているところも“魔笛”のパパゲーノらしいところです。曲の原型は20代のころに“断末パパゲーノ”として完成していました。歌詞や構成を手直しして、トリコミで録音しかけたのですが、いつしかお蔵入りになってしまったので、ベースとドラムを打ち込みで補ってソロ・ヴァージョンを完成させました。アコギで激しいボトルネック・プレイをしてみたいなと思いついて、試してみたら、曲にうまくフィットしました。いろいろな余裕があれば戸川純さんに歌って頂きたい曲でもあります」

 Papageno

Papageno


 Oninokodomo

Oninokodomo

3_オニノコドモ Oninokodomo 0:51

「このアルバムには3つの即興ピアノを収めました。吸血鬼がだいたい男性であるということは、X染色体に要因があるから?…だとしたら、生まれて来た男の子は吸血鬼、女の子はヒトになるのかしら。どちらにしてもハーフ(いまどきはダブルというらしい)だから可愛い子供に違いないのでしょうが、ときどきふっと子供らしからぬ影のある表情をする。などと思いながら徒然に鍵盤を叩きました」