昨年8月16日から私の日記を読んでみて下さい。
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この日の打ち合わせからアルバム『パリコレ』そして『テキスタイルカウンシルツアー』は始まっています。依頼を受けた時点では「どのような編成でも良いのでミズタニさんに何か書いてもらいたいのだけれど」というニュアンスだったのですが「私の現在で一番オススメのスタイルは東京中低域です」とやや強引に、しかし先方もそうなることを半ば期待して下さっていたに違いない方向に誘導してしまいました。それはとても正しい提案だったと思っています。そしてある限られた時間と予算での制作をお引き受けする代わりに、後々これらの作品をリリースさせて頂きたいというワガママも快く受け容れて下さいました。
今回の全ての作品は基本的に書き下ろしたものなのですが、過去に着想しながら完成を見なかったエピソードも幾つか採用しています。例えば『Music for Tao #3』の原型は『東京電話』として私のソロアルバム『後楽園』にほぼそのままの形で収録されています。これはこの曲を丸ごと使うのが目的ではなく、新たに加筆した中間部を素材として使用する為の、いわば糊しろとして全体を録音したものです。3つのドローンも含め、そうした素材が幾つも必要だろうと考えての事です。そして、ショーの音楽という性格上、3分や4分の楽曲が途切れ途切れにプレイされるのではなく、約20分間、一貫したイメージの楽曲群を起承転結をもってシームレスに流す必要がありました。結果的に前作までの東京中低域の作風とはかなり異なる曲調になっています。この経験の余韻が今後我々にどのような変化をもたらすか、もたらさないか、どうなんだろう、楽しみです。
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タイトルは『パリコレ』です。全てのインスピレーションの源泉はデザイナー本人にあり、不適当な言葉かも知れませんが、私たちは言わば「代理母」の身、本来タイトル命名の立場にはありませんでした。タスキに記したように、これは一人のデザイナーの為に作られ、非公開の場で一度きり上演された(最高の)パフォーマンスのサウンドトラックです。そこで『ライブ・イン・ロンドン』同様、この音楽の流れた場所のみを記しおくことにしました。それ以外にアレコレいうのは実は全てこじつけです。『パリコレ』のイメージは…アナタがいま想い描くソレ、そう、ソレで合ってます。
そしてとっても余談なんですが…友部正人さんの歌に『おしゃれな服』という曲があるんです。人伝てに「この曲はアキラくんのことなんだよ」なんて友部さんが仰ってたと聞いた事があります。曲の出だしが「女の子が着る、おしゃれな服はみんな…」という歌詞です。このテキストを書いていてフト思い出してCD棚から出して聴いてみました。とてもとてもステキな歌なので皆さんも聴いてみて下さい。ギターを弾いているのは大村憲司さんなんですよ。この曲の収録されてる『雲のタクシー』は13年前のアルバムなので、ジャケットには今の私より2歳若い友部さんが写っています。蜜柑畑でギターを弾いている彼は、まるで私の弟のようです。
text:Mizutani Akira
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